学校法人 聖フランシスコ学園 天使幼稚園
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<卒園文集>
変化に対応する力
2023年3月17日
 「十年ひと昔」という言葉があります。世の中の移り変わりが大きく、十年前のことはもう遠い昔のことのように感じるという意味で使われます。ところが、最近の世の中の移り変わりはさらに目まぐるしく、十年どころか、数年で世の中が大きく変わってしまう時代になりました。

 テレビの旅番組などを見ていると、空から写した映像がたくさん出てきます。昔だったらヘリコプターを飛ばさなくては撮れなかった風景が、今はドローンを使って気軽に撮ることができるようになりました。また昔は坂道に差しかかると、立ちこぎをしたり、押して上ったりしていた自転車も、電動自転車ができたことで、座ったままスイスイと上ることができるようになりました。そのおかげでお家の方の自転車での送り迎えもずいぶん楽になり、みなさんもいっぱいお世話になりましたね。

 みなさんが幼稚園に入園した年、新型コロナウイルスが世界中に広がりました。緊急事態宣言が発表されて、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられ、学校も臨時休校になるなど、混乱した中で4月を迎えました。天使幼稚園も入園式を延期し、みなさんの幼稚園生活のスタートは6月になってしまいました。

 この3年の間に、テレビ会議システムが充実し、会社に出掛けずに在宅ワークをするケースが多くみられるようになりました。自宅で会社の仕事をするなんて、コロナ以前には考えられないことでした。

 学校での学び方も大きく変わりつつあります。以前は、たくさんの事を覚えることができる人がテストで高い点を取り、良い成績を収めていました。でも、これからの時代は、自分の力で問題を解決する力が求められるようになっていきます。そのために、学校ではアクティブラーニングといって、自分で問題を見つけ出したり、みんなと一緒に話し合って解決する方法を見つけ出したり、自分の考えをみんなの前で発表したりする活動が増えていきます。また、学校では一人ひとりがタブレット端末を使う学習も取り入れられています。以前は学校であたり前の風景だった、黒板にチョークを使って文字を書く授業はだんだん減っていくことでしょう。

 この数年間だけでも、これほど大きな変化がありました。国際化、情報機器の発達、さらには激しい気候変動に伴う「SDGs (Sustainable Development Goals)=持続可能な開発目標」の推進など、今後はさらに変化が大きな時代になっていきそうです。

 これから小学校に進み、中学、高校、大学と学んでいくみなさんは、このような変化が激しい時代を生きていくことになります。

 そこで必要になるのが「変化に対応する力」です。その力を養うためには、どこに課題があるかを見つけるための「観察力」や「推理する力」、多くの解決策を考えることができる「柔軟な発想」、また、未来を予想する「想像力」や仲間と議論を重ね協力して取り組むための「コミュニケーション能力」、そして、失敗を恐れずに進めることができる「挑戦力」などが大切です。

 神さまはみなさんにそれぞれ異なった力を与えてくださいました。

 聖書の中に「タラントンのたとえ」というのがあります。主人が、ある人には5タラントン、ある人には2タラントン、ある人には1タラントンを預けて旅に出ました。5タラントン、2タラントン預かった人はそれを使って、もっとタラントンを増やしました。でも、1タラントン預かった人はそれを土の中に埋めておき、そのまま主人に返しました。主人はタラントンを増やした人には、もっと多くのものを与え、タラントンを増やさなかった人は、すべてのものを取り上げて追い出したというお話です。(マタイ25章14~29)このタラントンは、タレント(才能)の語源でもあり、神さまは一人ひとりに異なる才能を与え、それを上手に活用することを求めているというお話です。

 社会を動かすことは、一人だけではできません。社会に生きるみなさんたち一人ひとりの力を集めることを通して、社会を発展させることができるのです。激しく変化していく社会の中で学び続けるみなさん。どんな変化にも対応できる力を養い、人々のために、神さまから与えられた自分の力を発揮して活躍できる人になっていってくださいね。
              (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>春休み号
感謝の連鎖
2023年3月16日
 今年度も無事に修了式、卒園式の日を迎えました。コロナウイルスの第6波が収まりかけたころスタートした今年度。その後、東京都の1日の感染者が4万人を超えた第7波や、年末からお正月にかけての第8波を経て、ようやく1日の感染者が1000人を切る日が続くようになりました。連日のように感染者情報をメールでお届けしていた日々も過ぎ去り、今週からはマスクの着用も個人の判断に委ねられるようになるなど、少しずつ以前の生活が戻ってきつつあるようです。多くの課題を抱えた今年度でしたが、皆様方に援けられて1年間を終えることができました。本当にありがとうございました。

  感謝の気持ちを忘れてはならない  感謝の心があってはじめて
     物を大切にする気持ちも 人に対する謙虚さも 
        生きる喜びも生まれてくる (松下 幸之助)

 「感謝」という言葉の由来を調べてみると「感」は外部の物にふれて心が強く動く様子、「謝」は「言」と「射」が合わさって言葉を発するということで、合わせると「人に何かをしてもらったことに強く心を動かされ、それに対して言葉を発する」という意味になります。

 先日行われたWBC(World Baseball Classic:ワールドベースボールクラシック)の、日本対チェコの試合で、ウィリー・エスカラ内野手の膝に、佐々木朗希投手が投げた162キロ直球が直撃しその場に倒れこんでしまいました。痛みをこらえて立ち上がったエスカラ選手は1塁まで歩いた後、外野まで全力疾走してみせました。試合が終わった後のインタビューでは「佐々木投手も当てる気がなかったと思う」と気遣い「膝はたぶん大丈夫です」と笑顔で応じ、さらに「アリガトウ」と日本語で感謝を述べ、球場を去ったという記事が載っていました。痛い思いをしたのにも関わらず、最後に感謝の言葉を述べて帰っていったエスカラ選手の行動を知って、暖かい気持ちになった方も多いのではないでしょうか。

 さらに、チェコの選手は日本との試合に完敗したのにも関わらず、試合が終わった後、ベンチの前に出て侍ジャパンに拍手を贈り、またスタンドの日本のファンにも挨拶をしていました。その様子を見た大谷翔平投手はその時の写真を自身のインスタグラムに載せ「respect」(リスペクト=尊敬)とメッセージを送りました。そのメッセージに対して、今度はチェコ共和国野球協会が公式ツイッターで「世界1位の日本と対戦して学びを得た。ものすごく試合を楽しめた。現五輪王者と対峙するのは楽しかった」と投稿していました。さらにその翌日にはチェコのパベル・ハジム監督が「必勝」と記された鉢巻をして記者会見を行い、「日本への感謝の気持ちです。」と述べていました。

 初めにチェコの監督・選手が日本の選手や観客に感謝の思いを表現し、大谷選手はその様子に心を動かされ「リスペクト」というメッセージを贈り、さらにそのメッセージを見たチェコの野球協会から感謝の言葉が届きました。こうして相手に対する尊敬と感謝の思いが次々に感謝の連鎖を生みました。

 相手に対して尊敬の念や思いやりの心を持ってそれを行動で示すこと、そしてその相手の思いやありがたさに気づくことができる感受性の豊かさ、さらにその思いを「ありがとう」と表現すること。それらが合わさると「感謝の連鎖」が生まれていきます。

 卒園、進級の時期を迎えた今、子どもたちにも、まわりのみんなのおかげで今の自分があることへの感謝の思いをしっかりと持ち、その幸せをいろいろな人に分けることの大切さに気付き、自分ができることを実践していってほしいと願っています。

   いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。
      これこそキリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。
            (テサロニケの信徒への手紙Ⅰ 5章16-18節)
                            (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>3月号
天使幼稚園創立75周年
2023年2月21日
 1947(昭和22)年4月、太平洋戦争が終わって1年半。戦後の混乱した時代の中、日本の将来を支える子どもたちのための健全な学びの場を設けようと、ガブリエル神父様とお告げのフランシスコ姉妹会のシスター方が、久が原の地に幼稚園を開設しました。

 日本はその後、戦後復興期から高度成長期を迎え、子どもたちの人数も増え続け、「一億総中流」という言葉が生まれるなど、豊かさを感じることができる時代になりました。しかしその後、バブル経済が崩壊し、さらに少子高齢化が問題になるなど、社会を取り巻く環境もだんだん厳しくなってきました。また、国際化が進み情報科学技術が発展するなど、過去の体験、知識だけでは乗り越えることができない時代がやってこようとしています。

 教育現場でも、戦後の経験主義カリキュラムから、高度成長期における科学技術教育へと改革が進みました。しかし、それが詰め込み教育になっているという反省から、ゆとり教育が導入されたものの、その本来のねらいが充分に達成できず、脱ゆとり教育へと舵が切られました。これから小学校・中学校・高等学校、そして大学へと学びを進めていく子どもたちは、自ら課題を発見しそれを解決していく「主体的な学び」が求められています。

 このように、この75年の間、日本の社会も教育現場も時代の流れの中で大きく変化してきました。

 天使幼稚園も、設立当時、修道院の一室で保育をスタートした後、子供寮の敷地の園舎、現在地での木造の園舎を経て、1985(昭和60)年、現在の園舎を建てました。さらに、日本国内に子どもの数が増える中、お告げのフランシスコ姉妹会のシスター方の手によって、高崎や箕面、つくしの(町田市)などにも天使幼稚園を開設していきました。しかし、子どもの数が減り、シスター方がお年を召される中、幼稚園を閉じたり教区に委ねたりし、現在は高崎天使幼稚園と天使幼稚園(久が原)の2園が学校法人聖フランシスコ学園の幼稚園として子どもたちの教育にあたり、他にも認定こども園生野フランシスコ学園でも子どもたちの保育に取り組んでいます。

 本園では、カトリックの理念を土台に据え、「美しいこころ・強いからだ・明るいこども」を目標に掲げ子どもたちを育ててきました。また、子どもたちの健やかな成長を援ける手段としてモンテッソーリ教育を導入し、縦割りクラス(全クラスに年少・年中・年長が在籍する)を設けるなどあゆみを重ねてきました。

 天使幼稚園は、今年度を含めると7029名の卒園生を送り出してきました。久が原の町を歩くと、あちらこちらで「天使幼稚園の卒園生です。」という方にお会いすることができます。このような卒園生や地域のみなさん、さらに保護者の方々やシスター方、そしてこれまで子どもたちを導き育ててきた先生方のおかげでこうして75周年を迎えることができました。

 今、天使幼稚園のあゆみを振り返り、園に込めた多くの方々の思いを皆様方と分かち合うことができるようにと、創立75年記念誌の発行準備をしています。また、記念行事として3月1日(水)に記念植樹を予定しています。選んだ木はオリーブの木です。園児数が多い時代、天使幼稚園では聖劇のなかでノアの箱舟も演じていました。そのお話の中で、陸地を探すためにノアが放したハトがくわえて帰ってきたのがオリーブの枝です。洪水が引き再び平和が訪れたというこのお話しから、ハトとオリーブは平和の象徴となりました。

 76年目からの新たなあゆみを、このオリーブの木に見守られながら踏み出していきたいと思います。
                        (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>2月号
ネアンデルタール人とホモ・サピエンス
2023年1月25日
 お正月にNHKスペシャルで「人類誕生」の再放送がありました。その第2集は「最強ライバルとの出会いそして別れ」という題で、わたしたちホモ・サピエンスが生き残り、ネアンデルタール人が滅びてしまった理由を解き明かしていました。

 今から4万年ほど前まで、屈強な肉体を持ち大きな獲物を仕留めることができるネアンデルタール人が一大勢力をなしていました。その頃、体が小さなホモ・サピエンスは、小さな獲物しか得ることが出来ず、細々と暮らしていたそうです。ところが、それから1万数千年後、ネアンデルタール人は滅び、わたしたちホモ・サピエンスが、ヒト属で現存する唯一の種になっていました。カギを握っていたのは、ホモ・サピエンスの「弱さ」、それを補うために進化させた「ある力」だったと、番組の中で紹介していました。強いものが滅び、弱いものが生き残る……。何だか昔話によく出てくるパターンですね。

 体が大きく単独でも大きな獲物を仕留め、おなかいっぱい食べることが出来るネアンデルタール人は、基本的に家族単位で生活していたそうです。その一方、体が小さいホモ・サピエンスは、単独では獲物を仕留めることが難しいので、集団を作り仲間と協力して獲物を得ようとしていました。こうして共同生活を営むと、一人が発見した技が周りの仲間たちに広がり、それが共通の知恵につながっていきました。また、共同生活を送る中、お互いの思いを伝えるために「言語」が発達していきました。そして言語の発達が、さらに大きな進歩をもたらしました。

 ホモ・サピエンスは獣の皮を縫い合わせて衣服を作り、寒さをしのぐことが出来るようになりました。そのために用いる針は動物の骨を材料とし、それを細く削って作っていました。その作業をする時の脳の働きを調べてみると、言語をつかさどる部分の働きが大きくなっていることが分かったそうです。わたしたちも何かを作る時、あまり意識はしないけれど、頭の中では「初めに材料を切り、次にそれを重ね合わせて……。」と言語を使って手順を確かなものにしています。こうして物を作り出す過程の中で言語を用いることを通して、わたしたちの先祖はさらに脳を発達させてきたそうです。

 旧約聖書にバベルの塔のお話があります。自分こそが最高の存在であり、何でもできると考えた人びとが、天にも届く塔を建てようとしました。その高慢さに怒った神さまは「言語」を混乱させ,人びとを各地に散らして完成を妨げたというお話です。ここにも言語が人々の交わりにとって大切だということが示されています。

 そして現代。日本の教育界は、情報技術の発達や国際化さらに気候変動の激しさなど、変化が激しいこれからの時代に向けて「生きる力を育む」ことを目標に掲げています。

 OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の結果を見ると、日本の子どもたちは、読解力や記述式の問題に課題があり、基礎的な知識・技能は身に付いているものの、知識・技能を実生活の場面に活用する力が不足しているそうです。その一方、平成21年度全国学力・学習状況調査(小学校)の結果を見ると、文章で書かせる指導をよく行っている学校や、学校の諸活動へのボランティア参加が多い学校は正答率が高くなっているとのことでした。

 今、現代の若者たちの語彙力の低下を懸念する声が聞かれます。その一例としてあげられるのが「やばい」という言葉です。「美味しい・可愛い・強い・楽しい・かっこいい・綺麗・素敵……。」様々な感情をこの一言で済ませてしまっています。言葉を選び、細やかな思いの違いを相手に伝えるという、言語を使って思考し、伝えるという習慣が希薄になりつつあるようです。

 集団を作って仲間と協力し、言語を通して互いに助け合い、さらに自らの考える力を伸ばしていったホモ・サピエンス。そのあゆみを忘れ、言語をおろそかにしていくことで、わたしたち人類はネアンデルタール人と同じ運命をたどることになるかもしれません。子どもたちの健やかな成長を育むためにも、言語を使ったふれ合いを、これからも大切にしていきたいものです。 
            (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>1月号
あけましておめでとうございます
2023年1月10日
 2023年(令和5)年、兎(うさぎ)年がスタートしました。かわいらしくおとなしい兎には、安全の象徴というイメージがあるそうです。また、ジャンプ力がある兎にちなんで、今年はピョ~ンと大きく飛躍しようという目標を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 兎年は「卯年」とも表記します。もともとの干支は動物の名前ではなく「子・丑・寅・卯……」という文字が使われていました。この文字は植物の生長を表しているという説があります。「子」は、まだ種子の状態、「丑」は、紐のような細い芽が出た状態で、「寅」には、伸ばすという意味があり、草木が伸び始めることを表しています。そして今年の「卯」。この文字は門を無理やり押し開けて入り込む様子を表したもので、草木が地面からはい出し、茂り始めた様子を表しています。兎がぴょんぴょん跳ね回るように、こちらも、これから大きく伸び始めようという思いが感じられます。

 お正月の挨拶「あけまして、おめでとうございます」にも由来があります。「おめでとう」は「お目出とう・お芽出とう」などと書かれることもありますが、これは当て字で、元々は「愛(め)でたい」からきている言葉です。「愛」という文字は「愛(いと)おしむ」「愛(いつく)しむ」にも使われ、大切にしたいという思いが込められています。新年の挨拶には、新しい年を大切にしたい、挨拶を交わす相手の人を大切にしたいという願いが込められているのです。

 新年を迎え、初詣に行かれた方も大勢いらっしゃることでしょう。私は今年のお正月、福岡に帰省し、神社ではなく高宮教会の元日のミサにあずかりました。そのミサの中での、プラビン神父様のお説教(ミサの中でのお話)がとても印象に残りました。
「みなさんは、新年にあたり願い事をすることがあるでしょう。でも『願い』と『目標』とは異なります。『よい学校に合格しますように』というのは願いです。でもそのために努力をしないと願いは叶いませんね。願いを叶えるために『目標』を掲げ行動していくことが大切です。」
という内容のお話です。

 初詣に行って「家庭円満」を祈願するのであれば、「今年は家庭での会話を増やします」、「交通安全」を願うのであれば「今まで以上に安全運転を心掛け、自転車に乗る時はしっかりルールを守ります」、「健康で1年を過ごせるように」と願うのであれば「暴飲暴食を避けるのを目標にします」というように、具体的な目標を掲げて願いが叶うように自ら行動する事が大切です。「天は自ら助くる者を助く」ということわざがあるように、神頼みをするだけではなく、自ら目標に向けて行動することを決心することも、新年の良い過ごし方になるようです。

 その一方、「人事を尽くして天命を待つ」ということわざもあります。努力すれば何でも実現するわけではなく、そこには神さまのみ心、援けも必要なようです。

  主が家を建てられるのでなければ、建てる者の勤労はむなしい。
  主が町を守られるのでなければ、守る者のさめているのはむなしい。
       (詩篇 127-1)

 1年のスタートにあたり、この1年間の目標を掲げて具体的な行動計画を作り、最後は神さまに委ねる、そんなお正月にできると良いですね。
                        (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>冬休み号
大 掃 除
2022年12月19日
 年の瀬が迫り、今年も大掃除の季節を迎えました。

 年末の大掃除。歴史を紐解くと、その始まりは平安時代だといわれています。平安時代、宮中で新年を迎える前に、一年の穢(けが)れを取り除き、新しい年にはきれいな場所に歳神(としがみ)様をお迎えするために「煤(すす)払い」をしたのが大掃除の始まりとのこと。鎌倉時代になると、神社仏閣に煤払いの習慣が広がり、仏像や本堂を清める行事になりました。江戸時代には徳川幕府が12月13日を「煤納め」と定めて大掃除を行い、それが庶民の間でも広がって一般的になっていったそうです。このように穢れを除き、歳神様を迎える準備ということが起源になっている日本の大掃除。ただほこりを払い掃除をするだけに留まらず、自分たちの心も新たにしようとする思いが込められています。

 一方、欧米には年末の大掃除という風習はないそうです。似たようなものとしては、冬の間にストーブや暖炉から出た煤を、暖房器具を使わなくなった春を迎えてからきれいにするSpring-cleaning(スプリング・クリーニング)という習慣があるそうです。こちらは、精神的な意味合いより合理的な理由が中心になった大掃除のようです。

 天使幼稚園では毎学期の終わりに大掃除に取り組んでいます。お部屋の荷物を外に出し、床の拭き掃除をした後、毎回ワックスをかけています。廊下なども同様にワックスをかけ、大掃除の後はあちらこちらがピッカピカに光っています。こうしてしっかり掃除に取り組んできているので、1985年12月8日に竣工(しゅんこう)し、37年が経った今の園舎も、まだまだきれいに使うことができています。

 もう何年も自分たちでワックスがけをしているので、今度の春休みには専門の業者にお願いして、しっかりとワックスがけをすることにしました。業者の方によると、水拭きをしただけでワックスをかけ続けていると、前の汚れの上にワックスをかけることになり、だんだん汚れが蓄積されていくとのこと。試しに、階段の一角の汚れを本格的に落とし、ワックスをかけなおしていただくと……。その部分が明るく輝いています。今までの部分がずいぶんと黒ずんでいいたことが一目瞭然です。本当にきれいにするためには、本格的な掃除が必要になるようです。

 この様子をみながら、一つの聖書のお話が浮かんできました。

「だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、ぶどう酒は革袋を破り、ぶどう酒も革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。」(マルコによる福音書 2章22節)

古い革袋はだんだん柔軟性がなくなります。そこに新しいぶどう酒を入れるとどんどん発酵が進み発生した炭酸ガスが革袋を破ってしまいます。

 ただ、それは一概に古いものが良くないということではなく、状況に応じて新しいものに切り替えることが必要であるということです。今回のワックスがけも、積み重なった埃(ほこり)の上ではなく、きれいに埃を取り払うことで、新しい輝きを得ることができることでしょう。

 あわただしく寒い時期に取り組む年末の大掃除ですが、部屋の中や外回りの大掃除に留まらず、身の回りにあるものを見直したり、自分の生活を振り返ったり、新しい年に向けて古いものと新しいものを見極めたり……。心の大掃除も合わせてできると良いですね。
                        (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>12月号
御大切(ごたいせつ)
2022年11月25日
 今、天使幼稚園ではクリスマス会に向けて、年長さんは聖劇の、年中さんと年少さんは絵本のお話をもとにした劇の練習を重ねています。本園だけではなく、多くのカトリック幼稚園では、劇や音楽などの発表会を「クリスマス会」として催しています。そこには、一人ひとりが神さまからいただいた自分の力を発揮してそれぞれの役を演じることを通して、たくさんの方に喜んでいただいたり、神さまに感謝の気持ちをお捧げしたりしようという心が込められています。

 クリスマスという言葉は「Christ(キリスト)」と「mass(ミサ)」がつながってできたものです。キリスト(油注がれたもの=救い主)にささげるミサ(感謝の祭儀)という意味になります。私たちを愛し、小さな赤ちゃんとなって降(くだ)ってくださったイエスさまに「ありがとう」という感謝の気持ちを伝える日、それがクリスマスです。

  ♪ ふかい やみの さなかに きらめく ほしは
       みちに まよう ひとへの かみの まなざし ♪

子どもたちが聖劇で歌う「ハレルヤ クリスマス」の1番の歌詞です。静かな夜空にきらりと輝く星は、迷える人を導き援けてくださいます。きらびやかなイルミネーションが輝く現代のクリスマスとは、全く異なるクリスマスの光景です。神さまは、苦しんでいる人、困っている人、悲しんでいる人……、そのような弱い人の援けとなるように、大切な御独り(ひとり)子イエスさまをおくってくださいました。

  「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」(ヨハネによる福音第3章16節)

この聖書の言葉にあるように神さまに愛されていることを実感する日。それがクリスマスでもあります。

 そのイエスさまは、わたしたちに大切な教えを残してくださいました。

「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」(ヨハネによる福音第13章34節)

これがクリスマスのもう一つのメッセージです。あなただけが幸せになるのではなく、イエスさまがみんなを愛したように、あなたたちも周りの人たちを愛し、幸せにしてあげてくださいという教えです。クリスマスのプレゼントはこの思いがベースになっています。 

 この「愛」という言葉にもエピソードがあります。聖フランシスコ・ザビエルが日本に来た頃、宣教師たちは神さまの愛を日本の人々に伝えるために、どんな言葉で伝えようかと悩んでいたそうです。「愛」という言葉は神さまの思いをひとことで表すことができるものの、何となく漠然としています。そこで思いついたのが「御大切(ごたいせつ)」という言葉でした。この言葉には「愛」の精神が分かりやすく込められています。

 イエスさまが与えてくださった新しい掟にある「愛し合いなさい」という部分を「大切に」と置き換えるとイエスさまの思いが具体的に伝わってきます。「互いに大切にし合いなさい。わたしがあなたがたを大切にしたように、あなたがたも互いに大切にし合いなさい。」神さまの行いにならって、誰かのために大切なものをプレゼントする。それがクリスマスの本当の祝い方です。

 クリスマス会に向けて、子どもたちはこの思いを大切にしながら練習に取り組んでいます。さらに今年のクリスマスは、家族そろって、周りにいる人たち、さらに世界中の人たちを大切に思い、自分ができることを実行する、そんな日にできるといいですね。
                        (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>11月号
一歩一歩
2022年10月31日
 新型コロナウィルスが世界中に蔓延し始めてから3回目の秋を迎えました。7月から始まった第7波もようやく落ち着きをみせ、全国旅行支援などが始まって街の賑わいも戻り始めています。

 天使幼稚園でも3年ぶりに全園児が一同に会する運動会を開催しました。園児や応援の方々が密になるのを避けるため、コロナが広がり始めた一昨年は学年ごとの開催、昨年は3クラスずつ2つのグループに分けての開催と、感染状況や感染予防の知見を確認しながら、どのような対策を講じれば開催できるのか、そしてどこまでだったらできるのかを検討しながら進めてきました。そして、今年度の運動会。全園児が参加し、ご家族の応援を2名までと増やしたものの、感染対策を講じつつ、演技をしている学年の方に上手に席を譲りながら応援していただいたおかげで、園庭が混みすぎることもなく無事に終えることができました。ご協力ありがとうございました。

 2年間中止していた年長さんのお芋ほり遠足と、年中・年少さんの水族館への遠足も、3年ぶりに実施しました。コロナが蔓延し始めた時に入園してきた年長さんにとって、みんなで一緒に貸し切りバスの乗っての遠足は、初めての体験になりました。バスの中は常に換気を行い短時間で空気が入れ替わっていること、大勢の人が集まっている場所でもマスクを着用することを通して、かなりの程度感染を防ぐことができること等、これまでに分かってきた情報を基に実施することを決定しました。今シーズン最多の4,500人の利用者があった八景島シーパラダイスは、結構混んではいたものの、各園、各校の子どもたちもマスクを着用し感染予防対策をしっかり行いながら見学をしていました。

 次の大きな行事はクリスマス会。こちらも感染状況を踏まえ、どのような感染対策を講じればどこまでできるのかと、話し合いを重ねながら準備を進めているところです。

 先週、文部科学省から「マスクの着用について」というリーフレット届きました。それには「屋外では季節を問わず、マスクの着用は原則不要です。ただし、人との距離(めやす2m)が保てず、会話をする場合には着用をお願いします」「屋内では距離が確保でき会話をほとんどしない場合をのぞき、マスクの着用をお願いします。」と示されていました。

 また文部科学省からは、「今秋以降の感染拡大期における感染対策について」という通知も届き「季節性インフルエンザの感染予防を含めて検討すること」「適切なマスクの着脱、手洗い等の手指衛生、換気、『三つの密(密閉・密集・密接)』の回避等の基本的な感染対策が重要」という内容が盛り込まれていました。

 しばらく減少傾向を見せていた新規感染者数が、また少し増加の傾向を見せています。さらにこれからはインフルエンザの流行へも気を配らなくてはいけない季節になっていきます。
 園内では、子どもたちがお部屋の中で、友だち同士ふれあいながら楽しくお話をしたり、みんなで一緒に歌を歌ったりする活動を大切にしたいと考えています。コロナもインフルエンザも、飛沫を防ぐことやウイルスの滞留を防ぐことにより感染予防効果が高くなるとされています。このような観点から、これからも屋内ではマスクの着用を続け、換気や手指の消毒など基本的な感染予防対策を、今一度丁寧に実施し、園内でコロナが広がらないよう、さらに取り組んで参ります。

 東京都のコロナ感染者の累計が320万人を超えました。都民4.3人に一人が感染した経験がある計算になります。それだけコロナウイルスは身近なところにあるようです。感染拡大初期のように重症化する方は少なくなっているようですが、まだまだ安心できる状況ではありません。日常生活、そして幼稚園行事共に、油断することなく、でも教育のねらいを見失うことなく、できることを一歩一歩進めていきたいと考えています。
                        (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>10月号
コスモス
2022年9月26日
 9月中旬まで続いていた蒸し暑い日々。でも20日に台風14号が通過した後、一気に秋らしい爽(さわ)やかな風が吹き始めました。そして、23日のお彼岸の中日に合わせるように、天使幼稚園の「きのおうち」の後ろにも、真っ赤な彼岸花が咲きました。秋を告げる代表的な花のひとつです。

 さらに10月を迎えると各地からコスモスの便りが届くようになります。白やピンク、さらにピンクと白のグラデーションが美しいコスモスの花。今でこそ秋を彩る花ですが、江戸時代の人々はこの花を愛(め)でることはありませんでした。

 メキシコ原産のコスモスは、ヨーロッパを経由して、明治の初めに、日本に持ち込まれました。その後、日本各地に広がっていったコスモス。やがて広い河川敷や畑に植えて、一面に咲き誇るコスモス畑を作るところが増え、今ではコスモスの名所が数えきれないほどになりました。また、黄色い花びらの「キバナコスモス」や、チョコレート色でチョコレートの香りがする「チョコレートコスモス」、八重咲のコスモスなどの品種も見られるようになりました。

 「コスモス」という名前は「秩序」や「調和」をあらわすギリシア語の“kosmos”からきています。花びらが規則正しく並び、調和のとれたその姿から「コスモス(cosmos)」と名付けられとのこと。また、「宇宙」も同じく「コスモス(cosmos)」と呼ばれています。私たちが住んでいる宇宙は混沌としたカオスな状態ではなく、秩序だって成り立っていると考えた古代ギリシアの哲学者ピタゴラスがそう名付けたそうです。

 一面に咲き誇るコスモスを見て「きれいだな」と感じるだけでなく、一輪のコスモスを手に取って花の形を見た時も「かわいらしい美しい花だな」と感じることができるもの。昔の人が「コスモス=秩序・調和」と名付けたのにはそれだけの意味があるようです。

 コスモスを漢字で書くと「秋桜」。でも、昭和の中頃までコスモスを表す漢字はありませんでした。「秋桜」をコスモスと読むようになったのは1977(昭和42)年にヒットした山口百恵さんの歌「秋桜」からです。この曲を作詞・作曲したさだまさしさんは、この曲に「秋桜」という題名をつけ、「コスモス」と読ませたところから「秋桜」=「コスモス」となりました。秋の代表的な花になったコスモスに、春の代表的な花である「桜」の文字を用いて「秋桜」としたのはなかなかセンスがあるネーミングですね。

 2歳のころに訪れる「イヤイヤ期」。ルールにとらわれることなく自分の気持ちのおもむくままに、したいこと・したくないことを強く主張する時期です。この時期の子どもたちは、まだ前頭前野が未発達で、自分の気持ちをコントロールする事が良くできず、思い通りにならないと大声で泣く、「いや、いや」と自分の思いを主張し続けるという反応をしまします。でもやがて、様々な経験を積み、脳が発達するにつれ、混沌とした「カオス」な状態から秩序ある生活「コスモス」へと移行していきます。社会とのつながりの中で、成長する大切な時期、こうしてイヤイヤ期を経て子どもたちの中に秩序が身に着いていくものです。

 コロナの感染が広がり始めて2年半以上が過ぎ、マスク生活もずいぶん長くなりました。そのような混乱の時期を経て、今、社会の中ではウイズコロナに向けた取り組みが始まっています。先日行われたエリザべス女王の国葬では、参列者はマスクを外している姿が伝えられました。天使幼稚園でも、これまでの経験をもとに、感染予防策を講じつつ、10月の運動会や秋の遠足など、様々な行事を実施できるよう取り組んでいるところです。 社会全体が混乱していた2年半の生活から、だんだん安定した「コスモス」の状態に戻るまで、もうしばらくの辛抱です。

 コスモスの花を眺めつつ、安定した「コスモス」の状態を取り戻せる日々が早く訪れてほしいと願っているところです。 
             (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>9月号
 アンパンマン
 2022年9月5日
 天使幼稚園の玄関ホールにアンパンマンのポスターを貼っています。これは厚生労働省の「こども医療でんわ相談」のポスターで「すぐに受診したほうがよいのか、看護師・保健師・医師が電話でアドバイスします」というメッセージと「#8000」という電話番号が記されています。このポスターは、保護者の方への大切な情報ということ、そして幼稚園に来た小さなお友だちが「あんぱんまん、あんぱんまん」と喜んで見てくれるので、ずっと掲示しています。(ただ、この1枚しかないので、痛まないよう大切に使い続けているものです)

 まんまる顔のアンパンマン。特に小さな子どもたちに大人気で、アンパンマンの絵本やチラシなどがあると大喜びして見ています。またてんしの家のお庭にも、昨年度アンパンマンすべり台を設置。エンジェルクラスに来た子どもたちをニコニコ笑顔で迎え、子どもたちも喜んでくれています。

 1973年、50歳になったやなせたかしさんがアンパンマンの絵本を世に出した時、その評判は散々なもので、出版から5年ほどはあまり認められることはなかったと、ご自身の著書の中に記されています。でも、その後、アンパンマンは、「目立たないところでじわりじわりと浸透していった」そうです。

「アンパンマンを最初に認めたのは、よちよち歩きから、3~4歳ぐらいの幼児だった。まだ字もあまり読めない、行動範囲もせまい。だが、なんの先入観もなく、好きか嫌いかを、本能的に判断するのだ。」(やなせたかし 『明日をひらく言葉』より:PHP文庫)

 初期のアンパンマンは6頭身ほどで目も小さいものでした。やがて頭が大きく3頭身ほどになり、目も大きくなって今のようなかわいいアンパンマンに変容し、さらに人気も高まっていきました。子どもたちがアンパンマンが大好きなのは、輪郭、鼻、頬とまん丸い形をしているのが子どもたちの感性に訴えるからというお話を聞いたことがあります。アンパンマンとその仲間たちを見ると、確かにまん丸を基本としたデザインになっています。

 でも、6頭身の時代、小さな子どもたちがアンパンマンを認めたのは、その姿にではなく、アンパンマンの本質にあったようです。アンパンマンは困っている人がいると助けに来てくれます。そして、時には自分の大切な顔をちぎり、お腹をすかせた人にプレゼントします。自分のことではなく、周りの人のために力を尽くすその姿に、小さな子どもたちが本能的に共感し、アンパンマンを受け入れているとやなせさんは分析しています。

 その原点を、やなせさんはこう語っています。

「人間が一番うれしいことは何だろう。長い間、僕は考えてきた。
そして結局、人が一番うれしいのは 人を喜ばせることだということがわかりました。
実に単純なことです。人は人を喜ばせることが一番うれしい。」

 また、別の著書の中ではこういうことばも記されています。

「人生は喜ばせごっこ」(『絶望の隣は希望です!』より:小学館)

 お家の方が子どものためにお料理を作る時、子どもの喜ぶ顔が見たくてメニューを工夫したり、仕事で疲れていても、子どもたちが喜んでくれるようにとお出かけを計画したりすることがあるでしょう。そこには相手を喜ばせようという人間の本質的な姿を垣間見ることができます。そして、子どもたちはそのようなお家の方の思いを感じ取り、お家の方を信頼し、大好きという思いを持つものです。子どもたちはアンパンマンにも、相手を大切にする心を感じ取り、お家の方を大好きと思うように、アンパンマンが大好きになるのでしょう。

 こうして愛情を注がれて育った子どもたち。同じように人を喜ばせられる人になる素地を、今、育んでいるのです。 
              (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>夏休み号
抽 斗
2022年7月19日
 「抽斗」見慣れない言葉ですが、私たちの生活に欠かせないあるものの名前です。「抽」の読みは「ひく」あるいは「ぬく」、「斗」は「ます」で液体や穀物を測る四角い箱や容器を表します。「抽」と「斗」を合わせた「抽斗」とは、机や箪笥(たんす)に抜き差しできる四角い箱………「引き出し(ひきだし)」のことです。(「抽斗」の読み方も「ひきだし」です)

 片付けが上手な人は、この引き出しをうまく活用しています。散らかる原因のひとつは、収納場所が決まっていないものがそのまま放置されていること。引き出しなどを活用して毎回そこに片づける、さらにそこに収まらない程のものを買わない、揃(そろ)えないという習慣を身に着けることができると、いつもきれいな部屋などを保つことができるものです。天使幼稚園でもモンテッソーリのおしごとの道具は、引き出しではないけれど、きちんと棚に整理して置いてあります。子どもたちは自分でそこからおしごとを選び、活動が終わると元の場所に自分で片付けるので、先生が指示したり手伝ったりしなくてもきちんと整理する事が出来ています。

 「あの人は引き出しが多いですね。」と言われることがあります。たくさんの知識や情報を持っていて、必要に応じてそれを提供したり、課題が発生した時、いろいろな知識や情報を駆使して解決策を提案してくれたりします。「なるほど、そんな考え方があったのか。」と周りの人も感心させられるものです。

 日々成長している子どもたちの未来に活きる力を育むために、引き出しを増やしていくこともとても重要な課題です。

 幼稚園で子どもたちとお話をしていると恐竜のこと、プリンセスのこと、電車や自動車のこと、折り紙のこと……。興味を持ったことについての知識はすばらしいものです。トランプの神経衰弱を一緒にすると、大人はさっき出ていたカードの場所を悩みながら探しますが、スイスイと正解のカードを開いていくお友だちも! 子どもの記憶力にはかないません。それだけ多くのことを吸収する力を持っている子どもたちですから、テレビやゲームなどから得られる知識に限定してしまうのはとってももったいないことです。テレビやゲームなどは、子どもたちの関心を引くことができるよう制作者が意図して作っています。子どもたちはその流れに乗って興味を持ち始めます。でも子どもたちの未来に必要な知識や言葉、技能の引き出しはそれだけに頼っていては偏ったものになってしまいます。

 明日から始まる夏休みは、ご家庭の中で、子どもたちの視野を広げるチャンスでもあります。

 どこかにお出かけする計画を立てていらっしゃる方も多いことでしょう。その時、遊園地に行って楽しんだり、親戚の方に会って楽しく過ごしたりすることだけで終わらず、少しでも良いので車窓から都会と田舎の様子を比べたり地方の特徴を見つけたりすることで、日本地図のおしごとをつなげることもできるでしょう。例年子供寮さんのお兄さんが育てたカブトムシを抽選でプレゼントしています。今年はさらに在園生や卒園生のご家庭からいただいたカブトムシやコクワガタをプレゼントしました。このような昆虫を探したり捕まえたりするだけでなく、卵から育てる体験をすると、昆虫への愛着がわき、さらに成長の過程を観察することで多くの学びがあるものです。このような特別なことだけでなく、聴こえてくるセミの声や、日々の気温の変化、雲の様子、またお料理で使う野菜や果物の種類や味……。生活すべてに引き出しにしまう知識や言葉、技能の種が詰まっています。

 また、子どもたちの世界を広げ多くの言葉を手に入れるために、絵本の力も大きいものです。「うちの子は絵本や読書にあまり興味がなくて……。」それだからこそ、周りの大人のサポートが大切です。子どもに与えるだけではなく、読み聞かせをしたり、読書タイムを共有したり。こどもの興味を広げ、引き出しを増やすために環境を整えることも重要です。

 この夏休み。ぜひ子どもたちに新しい体験の場をたくさん与え、抽斗を増やしていただきたいと願っています。 
         (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>7月号
七 夕
2022年6月24日
 コロナウイルスの影響で2年間実施することができなかった「父の日の集い」。今年は3クラスずつ2つのグループに分け、さらに屋外で活動するといった感染対策を講じつつ実施しました。コロナの蔓延(まんえん)と共に入園してきた今年の年長さんにも、ようやく父の日の集いを体験してもらうことができました。梅雨に入り雨の日も多いけれど、この日は程よい曇り空で、厳しい暑さになることなく開催する事ができました。お父さんと一緒にゲームをしたり、プレゼントを渡したりする子どもたちの顔にも、笑みがあふれていました。お出かけくださった皆様、どうもありがとうございました。

 父の日も終わり、もうすぐ7月を迎えます。7月の和名は「文月(ふづき・ふみつき)」。この名の由来として、稲の穂がふくらむ時期なので「穂含月(ほふみつき)」からきた、あるいは七夕の時期に書物を干す習慣があったことから「文被月(ふみひろげづき、ふみひらきづき)」からきたなどの説があります。元々「文月」は旧暦の7月につけられたもの。今年だと7月29日から8月26日にあたります。8月の上旬からお盆にかけて稲の花が咲き、このころになると稲の穂も膨(ふく)らみ始めます。また、梅雨が明け、湿気を含んだ書物を干して乾かすこともできるようになるので、どちらの説にも納得がいきます。

 7月7日の七夕も、もともとは旧暦で祝われていたものです。今年でいえば8月4日が七夕にあたります。今の暦では梅雨の最中で、織姫と彦星が会えない年の方が多いけれど、旧暦の七夕の日だと会える確率が高くなります。このように新暦と旧暦では季節がずれていることから、有名な仙台の七夕祭りは月遅れの8月7日を中心に開催されています。コロナウイルスの感染が少し落ち着いてきたということで、今年の仙台七夕まつりは3年ぶりに通常の規模で実施するそうです。本園の行事も世の中の行事も、ようやく感染対策を講じつつではあるものの実施できるようになってきました。

  ♪笹の葉さ~らさら 軒端(のきば)にゆれる お~星さま き~らきら 金銀砂子♪
                  (たなばたさま 作詞:権藤はなよ 作曲:下総皖一)

 七夕のお話に出てくるのが織姫星と彦星。そしてその間の天の川にかささぎが姿を見せています。でも、今、都会ではこれらの星を観ることがあまりできなくなってしまいました。私が小学生のころ、夏休みに九州の久住高原に家族で泊まりに行ったことがありました。そこで夜空を見上げると、本当に金銀の砂子をまいたように隙間なく大小の星が輝いていました。綿雲がいろいろな動物に見えるのと同じように、夜空を覆う星々の濃淡で、いろいろな絵が浮かび上がってきました。きっと昔の人はこのような星空を眺めながら、様々な物語を創り出してきたのだろうなと思いながら見つめていました。子どもたちにもぜひ体験してほしい星空です。

  ♪五色(ごしき)の短冊 わたしが書いた お~星さま き~らきら 空から見てる♪

 ここに出てくる五色は「火(炎)=赤」「水=黒(紫)」「木(植物)=青(緑)」「金(鉱物)=白」「土(大地)=黄」の五つです。その短冊に書く願いは、織姫にあやかり、機織(はたお)りなどの技や、学問、芸事などの上達を願うことが本来のものとされています。笹に着ける飾りにもいろいろな思いが込められています。「吹き流し」は機織りや裁縫の上達を願い五色の糸を針に通していたものの名残です。「網飾り」は大漁を祈願し、「くずかご」は、清潔、倹約、そして整理整頓の心を育むこと、「巾着」は金運の上昇を願い、「提灯(ちょうちん)」は明るく過ごすことを、「紙衣(かみごろも)」には裁縫の上達を願うほか、人形に病気や災いなどの身代わりになってもらう意味もあるそうです。雛祭りの流し雛と似ていますね。また輪飾りや菱飾りは天の川を表しているそうです。

 文月という月の和名、四季折々に訪れる様々な行事などには、先人たちの体験や思い、願いがたくさん込められています。気にかけずに過ごしていると見落としてしまいそうな季節の言葉や行事、そして星空が見られなくなったなあという出来事などに、今一度親子で向き合い、その意味を味わってみることを通して、良い学びの場が生まれるのではないでしょうか。
                  (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>6月号
試行錯誤
2022年5月26日
 新年度がスタートして1ヶ月あまり。子どもたちが新しい生活に慣れてくる5月は、お家の方と一緒に過ごす幼稚園行事が目白押しです。今年は3年ぶりに、そのような5月の行事を実施する事ができました。5月11日の母の日の集いはお天気にも恵まれ、園庭で一緒にダンスをしたり、ゲームをしたりして楽しみました。20日の親子遠足は広い砧公園の芝生の上を元気いっぱい駆け回り、クラスごとに自己紹介をして、一人ひとりの顔と名前を確かめ合うことができました。そして今週は体操教室の参観日。子どもたちが活動する様子をしっかりと観ていただくことができました。初めてお家の方に活動の様子を見ていただいた年少さんは、とっても嬉しそうで、体操教室の終わりにお家の方の所へとんでいき、ぎゅ~とハグしていただく姿も多く見られました。

 コロナウイルスの新規感染者は減少してきましたが、まだまだ感染予防が必要な日が続いています。5月の行事も、母の日の集いは屋外で実施する、体操の参観は保護者の方1名だけにしていただくなど、感染予防策を講じての開催になりました。

 そのような中、親子遠足は広い屋外での活動ということで、ご家族の方の人数制限をなくし、久しぶりにご両親やおじいちゃんおばあちゃんと一緒に過ごしている姿も見られました。また、気温が上がっていくこれからの季節に向けて、マスク着用の新たな指針も示されました。幼稚園でも、屋内ではマスクを着用するものの、外遊びや体操教室の時などは、その日の状況に応じてマスクを外すなど、熱中症対策を合わせて考えていくことにしています。

 コロナウイルスの感染者が増えていた時期、そして感染者が減っているこの時期、さらに気温が高くなる時期など、それぞれの時期に応じた対策を、試行錯誤しながら見つけ出していくことが、これからも続いていきます。

 「試行錯誤」、それは人のあるいは社会の成長にとって、とても大切な働きを担っています。

 コロナウイルスの蔓延による社会の混乱にも見られるように、現代社会は決まった正解がない時代に入っています。また、教育の世界でも「ひとつの正解を見つける学び」から「自ら課題を見つけ出し、解決策を見出す学び」へと変換が図られています。子どもたちが学校で学ぶ知識の量は、5円で購入できるICチップの中にすべて納めることができ、コンピューターを利用すればその内容はたちどころに手に入れることが可能であるという研究もあるそうです。「たくさんの事を覚える」ことや「失敗せずに上手にできること」「きれいな作品を教えられたとおりに仕上げること」以上に、「どうすれば良いかを考え、失敗を繰り返しながら挑戦する」そのような学びが、これからの時代求められるようになってきました。

 先日、子どもたちが制作する作品の打ち合わせをする学年主任会の中で、「天使幼稚園の子どもたちは、こうして制作の手順をしっかり教えてあげるから、失敗しながら自分なりのものを作り出す経験が少ないですね。」という話題が出てきました。本園だけでなく、カトリックの園では、子どもたちにしっかりと目と手をかけてお世話をする傾向があるようです。

 「発見する喜び・成長する喜び」を目標に掲げた今年度、いろいろな活動を子どもたちに委ね、失敗の中から自分なりのやり方を見つけ出していく、そのような活動を、私たち教職員も「試行錯誤」しながら探し出していきたいと考えているところです。

 インターネットで「試行錯誤 子ども」と検索すると、家庭の中でも取り組んでみると良いのではという事例が数多く見つかります。知識の量はIT( Information Technology:情報技術)に任せつつ、その中から一人ひとりの成長に役立つ情報を探し出して実践し、「試行錯誤」を繰り返しながらお子さまの成長を援け、「喜び」に繋げていただけたらと思います。 
                 (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>5月号
こいのぼり
2022年4月26日
 5月といえば、ゴールデンウイークに子どもの日や母の日。五月(さつき)晴れに、田植えや八十八夜、そして茶摘み。若葉や菖蒲(しょうぶ)、春の薔薇(ばら)もこの季節です。暖かく青空が広がり、さわやかな日が多いのが5月の特徴です。

♪ 甍(いらか)の波と雲の波、重なる波の中空(なかぞら)を、
   橘(たちばな)かおる朝風に、高く泳ぐや、鯉のぼり。
  開ける広き其の口に、舟をも呑まん様(さま)見えて、
   ゆたかに振(ふる)う尾鰭(おひれ)には、物に動ぜぬ姿あり。
  百瀬(ももせ)の滝を登りなば、忽(たちま)ち竜(りゅう)になりぬべき、
   わが身に似よや男子(おのこご)と、空に躍(おど)るや鯉のぼり。(文部省唱歌)

 端午の節句の日を中心に、昔はあちらこちらに翻(ひるがえ)っていたこいのぼり。でも最近は街中でこいのぼりを見ることが少なくなってしまいました。子どもの日が近づくと時々流れてくるこの「こいのぼり」の歌も、今の子どもたちにとっては難解な歌になりました。

 歌いだしの「甍」は瓦葺(かわらぶき)の屋根のこと。ビルが増えた都会では瓦屋根が波のように重なる風景を見ることは、ほとんどできなくなりました。お雛様の時にも登場する「右近の橘、左近の桜」この橘も、最近では姿を見かけることはあまりありません。ミカンの仲間の橘の、さわやかな香りを知っている人も少なくなりました。3番に歌われている鯉が激しい流れの滝を登ると竜になるという、竜門の滝のお話。そこを突破すれば出世につながる難しい関門「登竜門」という言葉も、最近はあまり聞くことがなくなりつつあるようです。

 もうひとつ「こいのぼり」の歌があります。

♪ やねよりたかい こいのぼり おおきいまごいは おとうさん
 ちいさいひごいは こどもたち おもしろそうに およいでる
                      (作詞:近藤宮子/作曲:不明)

 何気なく歌っている歌ですが、この「真鯉(まごい)」「緋鯉(ひごい)」にも、時代の流れの中で変遷がありました。子どもの健やかな成長を願って揚げられるようになったこいのぼり、江戸時代は真鯉一匹だけだったそうです。明治になると赤い色の緋鯉を加え、お父さんの真鯉と子どもの緋鯉の親子のこいのぼりを揚げるようになりました。こいのぼりの歌もお父さんと子どもだけが登場しています。

 戦後の高度成長期になると、男女同権の精神も広がり、さらに多くの色のこいのぼりが加わって、黒はお父さん、赤がお母さん、そしてその下に多彩な色の子どもたちと、家族がそろったこいのぼりが泳ぐようになりました。

 しかし、都市の発展と共に、こいのぼりを揚げる場所がなくなり、大きなこいのぼりを見ることができるのは、田舎の方や、川の両岸からロープを伸ばしてたくさんのこいのぼりを吊るした場所、そして映像の中や本などに限られるようになってしまいました。

 4月号で紹介した今年度の目標「発見する喜び・成長する喜び」。そのきっかけを作るために、子どもたちが本物に触れる体験をすることも大切なポイントです。なかなか本物を見る機会がなくなった大きなこいのぼり。幸いなことに昨年度の卒園生から、大きなこいのぼりをいただくことができました。ただ、まっすぐなポールに縦に並べて揚げるだけの場所が幼稚園にもありません。そこで今回は屋上からロープを伸ばし、横に並んだこいのぼりが泳ぐように設置することにしました。

 大きなこいのぼりを見上げながら「こいのぼり」の歌の意味や、歌に込められた思いをお子さまにお話ししていただければと思います。
                   (園長 鬼木 昌之)
<2022年度>4月号
発見する喜び・成長する喜び
2022年4月8日

  3月21日の春分を過ぎて、昼間の時間が日に日に長くなってきました。そして4月5日には二十四節気のひとつ「清明(せいめい)」を迎えました。陽ざしが次第に強くなり、風にも清々(すがすが)しさを感じられるようになるこの季節にあてはまる「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」という語を略したものだそうです。この文字を見るだけでも、明るい希望が感じられますね。関東では桜はそろそろ終わりだけれど、幼稚園の花壇にはチューリプやムスカリ、マーガレットやキンセンカなどたくさんの花が咲き誇っています。

 一昨年の1月から広がり始めたコロナウイルス。その対策のためのマスク生活を始めてから、3回目の新年度です。まだまだ感染予防対策は必要だけれど、これまでの体験や知見をもとに、社会生活や幼稚園での活動などでは、できることは何かを見つけ出し、工夫しながら一歩を踏み出すことが必要な時期に入っています。「清明」に合わせ、明るい気持ちで1年をスタートしたいものです。

 わくわくドキドキしながら初めての幼稚園生活が始まる年少さん。新しい年少さんを迎えちょっぴりお兄さんお姉さんになった実感がわいている年中さん。そして最年長として小さい子たちのお世話をがんばるぞという希望に燃えている年長さん。そのような一人ひとりの力を大きく育てる1年とするために、今年度「発見する喜び・成長する喜び」を、天使幼稚園の目標として掲げました。

 まだまだ経験が少ない子どもたちにとって、身の回りの事象や体験の中には「新発見」がたくさん隠されています。「おや?」「なんだろう?」「どうなっているのかな?」「どうすればいいのかな?」など、子ども自身の興味関心や気付きをきっかけに、自ら課題を見つけ解決しようとすることを通して、学びの基礎を養っていくことができるものです。

 そのためには子どもたちの周りの環境を整えていくことが大人に求められています。いつもとは異なる状況を作り出してみたり、本物を観る場を準備したりすることも大切です。さらに、子どもが発見する喜びを感じる前に、周りの大人が今まで何気なく見ていたことの中に新たな発見をし、感動する姿勢も求められています。

 子どもたちと一緒に過ごしていると「ねえ、見て、見て。」とできるようになったことを嬉しそうに報告してくれることが数多くあります。子どもたちにとって何かができるようになることは、とても嬉しいことであり、それが一人ひとりの成長の喜びに結びついていくものです。

 子どもが「見て、見て。」と言ってきた時大切なことは、その思いを共有してあげること、すなわちほめてあげることです。子どものほめ方には3つのステップがあります。第1段階は「なんでもほめる」。一人ひとりが大切にされていることを実感できるよう「あなたが大好きだよ。」という思いを伝える段階です。第2段階は、できたことをほめる段階です。子ども自身が得意なことや、今までできなかったことができるようになった時、しっかりとほめて、その結果を認めてあげる段階です。そして3段階が「がんばった姿をほめる」段階です。子どもたちは日々、何かに挑戦し、成長しようとしています。それができるようになった時「見て、見て」と喜んで報告に来てくれます。ただ大切なのはそこでできたことだけではなく、できるようになった背景、努力の跡をほめてあげることや、まだできていなくても、できるよう努力している姿を認めてあげることです。たとえまだできなくても、その努力する姿をほめることを通して、子どもたちは自ら高まっていこうという「学ぶ力」を持つことができるものです。

 子どもたちが、たくさんの「喜び」を感じながら、日々成長していくことができるよう、幼稚園でも保育の充実を図って参ります。ご家庭でも子どもたちの「発見する喜び・成長する喜び」をたくさん見つけてあげてください。

 今年度もどうぞ、よろしくお願いいたします。 
                   (園長 鬼木 昌之)
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